
パソコンをまだマイコンと呼んでいた時代。
隠れパソコンオタクを卒業し、まっとうなティーンな青春を送っていた私。
再び、蛇の道へと導いたのは、とあるマシンだった。
偶然見ていたテレビにその当時としては革新的な画像処理の様子が流れていた。
「ではこのはげ山に木を生やして見ましょう。」
と何気にタブレットの上でペンを走らすジンガイ解説者のおにいさん。
見る見るうちにモニター上のはげ山が雑木林の立派な山となるではないか!
修正された画像をプリントアウト、
「あなたの頭もこれで修正できますね。」っといったかどうかは定かではないが。
お!おーーーーー!これだーーーーー!
以前、自作でCG作成ソフトを開発し、かげながらコンピュータお絵かきに一人没頭していた私はこの時衝撃が走った。
そのソフトは確かAbobe Photoshop 1.0
番組の詳細を記録しその瞬間、その後の人生を決定付ける存在、Apple Macintoshを知った。
はやる気持ちを抑え、電気屋へパンフレットをもらいに行き、期待感を胸に詳細を知った時、私は愕然とした。
「Macintosh CLII 本体価格70万円、フルカラーアダプター30万円、その他もろもろ…。最低構成金額150万円」
モノクロMac Clasicであっても50万弱。
_| ̄|○ ・・・がっくり。
お前は高すぎる女。通学用スニーカーにボッコリ穴が開いている俺なんかと釣り合うことなんて到底ない存在なのさ…。
憧れるだけで手の届かない存在。二度と望まない。
諦めと、挫折感の中、後ろ髪を惹かれる思いを断ち切り、彼女のことは忘れようと誓った。
と思ったかどうか定かではないが…。
しかし、それから数年後、大学へ進学した私は、衝撃的な再会を果たすことになった。
大学のゼミ室より漂う驚愕のオーラ。
「ま、マックっすかー!!」
その時から私は彼女に夢中になった。隅々まで知りたいと感じた。
Adobe PhotoShopは3.0まで成長し、新しくIllustratorという仲間の存在も知った。
卒論もそっちのけでお絵かきに没頭する毎日。
Macintosh Quadra 800で泊り込みの3Dのレンダリング。朝目覚めると爆弾マーク。そんなことを繰り返していた。
Audio Technicaのターンテーブルデザイン募集や、MTV用のロゴデザインコンテスト用のイラストなどもMACで書いていた。(あえなく惨敗)
巷ではWindows95などと言うMAC漢字Talk6シリーズライクなOSが新発売!と持てはやされていた時代のお話である。
その後、念願のPowerMac 8500/150と結ばれ私も一時期はフォトショッパーと呼ばれた男だったが、時代の流れは残酷なもの、創業者の一人、スティ-ブンジョブスはAppleを去り、Apple Macintoshは暗黒の時代を迎え始めた頃、私の心も彼女から次第に離れていくのだった。
その後、世の流れに仕方なくWindowsを愛人に向かえ問題なく、なぜか寂しさを残しつつ数年をやりすごしていた。
が、やはりあのAppleの匂いを、魅惑的な雰囲気を、懐かしく思っていた。
あれから四捨五入十年近く、ついに決心!
化粧ののりも良くなってグットセクシーに、中身もすらりと大人に、OSもUNIXベースのⅩ(テン)となり身体能力アップでプロセッサーもモトローラPowerPCからIBM G5シリーズまで進化!わがまま放題不機嫌だった爆弾マークともおさらば、クロックスピードも、2.5GHz&DUALまでスピードアップ!仕事の出来るやつに大変身。生みの親のスティ-ブンジョブスも帰ってきた!
しかもあの頃はお高くとまっていた強気な値段もなんだか家庭的なになったじゃないか!
で10年ぶりの再会、PowerBook G4 1.5G 12inch をAmazonにて注文!
あの馨しき香りをもう一度。
え?前ふりが長いって?
いいの!人にMACに歴史ありってことで。
ちなみにMACの香り?と聞かれてもお答えできませんので。
それにしてもあの時驚愕したした画像処理技術が、今ではアイドルのわいせつアイコラ画像作成やモザイク作成にフル活用されていると思うと感慨深い訳で…。
父さんちょっと侘しいです。
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4 Responses to お~、なんとも馨しきMACの香り