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月別アーカイブ: 9月 2005
ある男の浮き沈み。2
その些細な現状の疑問はしだいに確信に変わってきた。
「な、なにがおこててるんだ??」
と発したはずが、言葉にならない何かを叫んでいることだけははっきりとわかった。
天井と自分の頭との距離が少しずつ短くなってきている。
いや天井が迫ってきてるのではない、ゆっくりだが徐々に体が上昇しているのだ。
天井との隙間が縮まってく閉塞感と理由も状況も把握できない自分にパニックになっていた。
天井に当たる!目をつぶり肩に力を入れ「ここで終わってくれ!」と心の中で強く念じた。急に周りが暗くなり空気の強い流れを感じ、男はこわごわしく目を開けた。
男は真下に何かの建物の屋根の上に浮かんでいた。
よく見ると自分が住んでいる家、ちょうど風呂場あたりの上空にいることに気づいた。
いまだに状況が好転している兆しはなかった。
なぜ自分はこんなところにいるのか、何で浮いているのか、なんで自分は素っ裸のまま自分の自宅上空に浮かんでいるのか?
思えば思うほと頭が混乱してくる。
とりあえず素っ裸の股間に手をやり体を丸く丸めては見た。こんなときにも恥じらいを感じている自分に無性に腹が立った。
そしてやっと徐々に上昇する速度が上がってきていることにも気づいた。
自宅や隣人宅は徐々に小さくなり、家の窓からこぼれる光は何か小さなイルミネーションのように見えてきたとき、恐怖を感じ始めた。
「やばい!このまま何もしなければ!」
手の中がじっとりと濡れている。どうにか今おかれている状況を打破すべく心の中で色々な方法論をシミュレートしてみる。そして稚拙な発想だが今思いつく唯一の方法、恥ずかしさをこらえ、股間の手をはずし平泳ぎの真似ごとをしてみる。
「映画やマンガのように空を泳いでみればきっとかえれるはず!」
しかしながら素っ裸の男が中に浮いたままかえるの動きを模写しても状況はなんら変化しなかった。
一瞬冷静になり下の状況を確認してみると、近所の窓の光は町の光たちに溶け込み、町の光たちは、大きな都市の光にのまれ、ロマンチックな美しい夜景としてまとまり始めていた。
その情景は現状素っ裸で浮かび恐怖におののいていた男の心に少しだけ安心感を抱かせる説得力があった。
あの光一つ一つが人の営みであり、色々な思いや悩み、喜び、悲しみ、争いや、愛情や裏切り、色んな感情を内包している光。光の集まりはある意味たくさんの意識の集合体なんだなと思っい、その中から外れてしまっている自分が少しだけ切ないと感じた。
男の体はさらに上昇していく。
つづく…。
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ある男の浮き沈み。1
最近なんだかうまく行ってない。
なにが?と言われると少々困ってしまうが、
なんだかうまく事が回ってない気がしてならない。
納得行かない自分に腹を立て、何事にも不満が湧き出てくる。
今の自分の実力や考え方、将来や過去、仕事のこと、家族のこと、友人のこと、恋人のこと。
考えれば考えるほどその重苦しさに耐えなれなくなりそうになる自分を恨めしく思った。
悶々としながら水圧の強いシャワーの下、水滴一つ一つを肌で感じながら前髪を両手でかき上げ、ふと思った。
「いっそ自分を誰も知らない自分のしらないどこかに飛んでいってしまいたい…。」
そうすれば今の自分を捨て新たな自分を勝手に作り上げられるかもしれないと言う安直過ぎる考えが浮かんだ。
土砂降りの雨の中空を見上げるように僕は目をつぶりシャワーを顔全体に浴びながら、天井の向こう、空の向こう、宇宙の向こうへと意識を集中した。
意識が遠くなり始めた瞬間、なんだか体全体の力がスーッと抜け空に吸い込まれるような不思議な錯覚に襲われた。
あまりにも心地いいその刺激に、今あるなんとなく釈然としない自分のすべてを委ね、何も考えたくない感覚に包まれていた。
しかしふと、何かが違うと感る。
自分の知っている現実にない感覚。
目を開け周囲に目をやる。
やはり何かおかしさを感じる。
今シャワーを浴びながらもしゃもしゃの髪の毛を掻き分けながらぶつぶつ悩んでいた数秒前の状況と決定的ではないにしろなにか違う状況におかれているのを。
なんなく、
シャンプーとリンスのボトルが若干小さくなったように感じる。
なんなく、
いつも使っているシャワーの高さがえらく低い位置に変わっているように感じる。
なんなく、
いつも見上げていた天井が妙に低いと感じる。
なんなく、
足元の床のタイルには確かに足の指まではっきりと識別できる黒い影がぼんやりと映っているように見える。
つづく…。
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十五夜

ふとカメラを持ってみると、偶然中秋の名月。
満ちては欠ける月、生命と密接な関係の妖艶で謎めいた月。
ウサギが姿を消したのは、僕が大人になってしまったからだろうか…。
80-200mm 絞り優先AE 1/6 秒 – F/22 補正-4.7 EV
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GRAPHICAL FACESとりあえず正式ラウンチ

GRAPHICAL FACES
やっとこさ公開まで。
製作期間3ヶ月、テスト期間(放置プレイ期間?)7ヶ月、ジレンマ2ヶ月。
原案はかれこれ2年ぐらい前でしょうか?
簡単に説明するとカメラ付携帯電話とパソコンを使った顔をモチーフとした実験的サイトです。
顔写真とコメント、5段階評価ステータスが記録できます。
カメラ付携帯電話(Docomo,AU,Vodafone)をお持ちの方ならどなたでも無料で参加可能です。(要登録)
これといって明確な使用法はないのでルールの範囲内でお好きにどうぞ。
日々の己を反芻するのにも使えます。
まだまだ製作途中、不備なところもたくさんありますが、とりあえずここら辺で一区切り。
現在登録中の方でなんだか忘れてしまった方は携帯から
http://www.graphicalfaces.net/へ
こんなところではありますが、謝辞を一つ。
ご意見ご感想をいただいた方々、お手伝いいただいた方々、誠ににありがとうです!!今後も…。
あ、引き続きご意見ご要望お待ちしとります。
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夏の終わり
アブラゼミの声よりも増してきたヒグラシの羽音。
勢いを落としはじめた刺さるような日差し。
根拠のない浮かれた様子も気温とともに冷静さを取り戻していく。
冷房のない我が家ではやっと快適な生活を取り戻しつつあった。
そんな中、人生の半分の時間を共に過ごした小さな小さな彼女は、僕と母親の顔を力ない瞳で見つめ、キーンと響く遠吠えとたくさんの思い出を残し、台風が去った後の優しい風にのって旅立った…。
栗の木の下の墓標の前で「ありがとう」とつぶやくと、なぜだか肩の力がスーッと抜けていくのを感じた。
いい年こいて何言ってるんだと思われても仕方がないが…、
正直、凹み中。。。
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サンゼロ・サンゴー

30-35[サンゼロ・サンゴー]オフィシャル
昭和45年生まれから昭和50年までの団塊ジュニアたちに送る新感覚CD+マガジンだそうだ。
かなり絞り込んだターゲットだが、ある意味その世代にばびっとヒットする自分は妙に納得してたりして…。
なんだか釈然としない時代背景の中、あのお祭り騒ぎお立ち台全盛バブル時代には詰め込み教育、入試人口過去最大級。4年大卒業後は平成の大不況まっただなか、社会に出てみればゆるい上司と一騎打ち、ついでに青春時代、何もムーブメントを作り出せなかった自分たちが30そこらまで歯軋りしている現状から脱却したいという願いから派生したものと思われ…。
なんだか切ない…。
しかしながら、なぜか古風な思想と、いまだモラトリアムの狭間にゆれるこの世代は、緩みきった社会をリアルで冷静に分析しているように感じるのは僕だけだろうか?
懐メロ20曲近く収録で¥2,480。
30-35でリッチな方々、検証よろしく…。
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SMEがiTMSへ楽曲提供
だそうです。
SMEとはソニーミュージックエンターテインメントです。
iTMSとはiTunes Music Storeの略です。
ステックウォークマンが売れ売れフラダンスのソニーグループの気持ちもよくわかるが、コンテンツを抱え込みだけでは勝てないと考えたか賞賛が見えたとみたか、楽曲をアップルにも提供開始。
ipod持ってた人は結構ジレンマ感じてたようですが、私はiTMSではまだ買ったことがございませぬ上。
これで日本語楽曲提供で遅れをとってたアップル陣営もなんとか巻き返しが図れるだろうか?
サービス提供は年内予定だそうです。
曲単価が気になるところ。
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バリウム色のアマガエル。

放尿しに公衆便所へ。
手を洗おうと洗面台の蛇口をひねろうとしたその時!
おぎょ!
でパシャ!
流すわけにも行かないのでそのまま。
ってことは…。
24-85mm 絞り優先AE 1/6 秒 – F/4