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日別アーカイブ: 2008年1月16日
死ぬかと思った。その2
死ぬかと思ったことをちびちびと
当時8歳
父親と自前のボートで釣り。
二人乗りの小さなエンジン付きのボートを車で牽引し釣りに出かけることに、何か優越感を抱いていただろうわが父。
子供心に「ちーせー船だな」とも思っていたが、その当時、主に黒鯛(方言でチヌ)をつることに情熱を傾けていた父は少しかっこよく見えた。
元は海洋学者を目指してしたが戦争のお陰で夢を捨て、教育者となった父の意地でもあったのかもしれないこの船で、悲劇は起こった。
普通は親一人息子一人のツーマンセルで船釣りに出かけていたが、その日は少し違っていた。
妹達のクレームもあり、この日は家族全員で釣りに出かけた。
波止場で糸をたらすとてっきり思っていたところ、父はどうやら無人島に家族で渡り、釣りを楽しもうと言う算段であったようで・・・。
家族が止めるのも振り切り二人乗りのボートに家族5人。
海原にで出ると今にも水が浸水しそうなぐらいに船は沈みこみ、明らかに浮力が足りない状態で航行を続けた。
それほど遠くない位置に大きなタンカーが見えた。
タンカーにぶつかる心配はないが、その大きな船体から作り出される大きな波が次第に浮力不足の小さな船へ小波をぶつけ始めた。その小波は次第に大きくなり、ついには船のふち辺りに水しぶきを上げ始めた。
今で言うところのビックサンダーマウンテン後半部分のような状態である。
あっという間にその大波は船の中にまで進入し次第に船底に海水がたまる。
じわじわと腰の辺りに水が入ってくる状態は、子供ながらに死を覚える感覚。
「ばけつだ!バケツでくみ出せ!」というまもなく船はどんどん沈んでいく。挙句の果てに転覆。
海底に沈み消えていく釣り道具達を見ながら、泳ぐ準備をした。
幸い、母親以外は、県大会出場経験のスイマー。
カエル泳ぎをしながら陸を目指すが、母の姿がない。
周りをよく見渡すとマンガで見たように、ぶくぶくと沈んでいく母親が見えた。
父が潜水が得意なのは知っていたが、あれほど上手いとは。意外と冷静に傍観している自分もなんだか不思議な感じがした。
とりあえず近くを通った漁船に助けられ全員一命を取り留めたが、「明らかに定員オーバー」だよ。
と漁師さんに怒られている父を見ていると、大人も完璧ではないなと。
とりあえず死なない。
その3へ続く