始まりは2007年春。
まだ肌寒い朝。
私はキーレスエントリ付きの愛車の鍵をリモコンであけた。
いつもどおり運転席側のドアノブに手を掛けドアを開ける。
あれ?開けたはずなのにしまっている。
リモコンのボタンは一度押すと開錠、再度押すと施錠するタイプ。
とりあえずもう一度ボタンを押しあけ、運転席に腰を沈めた。
イグニッションをまわしエンジンのかかったことを確認した。
あれ?音楽がない。
車内に設置したipodの電源が落ちているのか確認しようとダッシュボードの上に手を伸ばしたとき。
ipodがない。前日返してもらった一眼レフカメラの入ったカメラバックもない。
車内を調べ、あるはずの物がない違和感を全身で感じ、検察に通報した。
車上荒し。
被害はカメラ関係だけでざっと40万程度、望遠から広角までのレンズ4本、その他アクセサリ、三脚など。
なぜかカメラ本体だけは残されていた。
何の情けか、それとも足がつきやすいからか、カメラを始めてみた未開人なのか。
肩を落としつつ、悲痛な顔が戻らないかとも思った。
そんなことがあって半年後の12月。
ひょんなところから盗まれたものの足取りが垣間見えてきた。
知り合いから
「今日職場で警察の人から写真を見せられて覚えがないかと聞かれた。」
「去年の六月に結婚式の写真を撮ったのと、バス停の時刻表の写真を持ってきて知らないかと。」
「何の話?」と聞き返すと、車上荒しの犯人が捕まって押収物から被害者を探しているらしいと友人は聞かされたらしい。
私はその友人の職場に関係する写真を携帯電話でとった記憶があり、六月にも結婚式に出席した事も覚えがあった。でもね..。
一応警察署に連絡を入れると、「あ、ブラジル人窃盗集団のね」とすんなりと応じてくれるそぶりを見せた。
捜査担当者に電話が引き継がれ、内容を説明し始めた。
「何点か質問しますが、だイジョブですか?」という問いかけに対し、やましいことはないはずの私は動揺しつつ「はい」と返事をした。
「写真なんですが、どうやら結婚式の写真みたいです。去年の六月に結婚式に出席されましたか?」
素直に「はい」と返答をすると、電話口の警察官は半笑いで質問を続ける。
「その結婚式の二次会は盛り上がりましたか?」
??何の話だ?と思いつつ私は「はい、たぶん…。」と答えておいた。
電話口の向こうから笑いながら、「おそらくあなたで間違いのないようだ。また警察署にお越しください。」と言い残し電話は切れた。
なんのことか…?なぜ笑われたのか?なぜ間違いないと言い切れるのか?
後日警察署に出頭してそのなぞは解けた。
「ブラジル人とペルー人の窃盗グループのアジトに家宅捜査したときの押収物なのかにですね」から始まる話でなんとなく実状がつかめた。
とりあえずカメラバックに入っていたと思われるメモリーカードだけを押収したらしいが、その他のものはいまだ所在がつかめてないと。
とりあえずメモリーカードに入っていた内容を見せてもらい、ある程度予想はしていたが、予想通りのないように絶句した。
私が証言したような文体で書かれてる警察官が作成した証書に捺印をすればメモリカードは返却するといわれたが、その前に捺印前に全文を一度読みます。っといった警察官は既に半笑で読み上げ始めた。
その一文がこれ↓
「このメモリーカードが私の物と断言する理由は、昨年六月に私が結婚式に出席した際、余興に出てきた、半裸に女性物の下着をかぶった男性に大変興味がわき携帯電話で写真を撮ったことをよく覚えています。その写真は別紙を参照。よってこのメモリーカードは私の所有物であったことを主張します。」
「間違いないですね。」といわれても「はい」としか言いようがない。否定する気もうせるその写真は下記参照。
もうブラジル人もペルー人も中国人も韓国人も信用なんてしないぜ。
それよりレンズ返せ!その上恥まで晒させられて、散々な去年の思い出である。
以上
別紙参照の写真 (注意:私自身ではないのであしからず)

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6 Responses to 警察官に笑われた話。