
先日、会社帰りにタバコと飲み物を買いにコンビニにたちよった。
店内には数人の若者たちがたむろしていたが、雑然とした雰囲気の中、不可思議なカップルを見かける。
男は50歳前後、女は20代後半。
親子に見えなくはないが、妙に男のほうがソワソワとし、女は堂々と構えている。
そのコンビニの場所はラブホテルの前。
そういうことだと思い、目をそらし冷蔵庫の前で悩んでいると、そのカップルは私の後ろにたった。
「何がいいの」と女。
「何でもいいよ、量があれば」と男。
「じゃ、今日は記念日だからポンジュースね」
私はその言葉に動きを止めた。
記念日にポンジュース。愛媛出身だろうか?
私の心は錯そうする。愛媛では給食にポンジュースがでるというし、どこの家庭でもみかんを箱買するらしいほど無類のみかん好きと聞く。だから、誕生日などの記念日もみかんなのか?と。
いや、あくまで愛媛出身というのは私の憶測の域をでない。
ではなぜ記念日にポンジュース?いや、そもそも何の記念日なのか?
我に返り、コーヒーを手にレジに向かうと、その二人はうな重とポンジュースを手に私の前に並んだ。
うな重とポンジュース。やはりそういうことか。うなぎは、夏バテや疲労などに効果がある滋養強壮の代名詞的食品である。記念日とはすなわちそういうことなのだ。
いや、私のかってな想像で二人の関係を断言できない。もしかすると親子かもしれないのだ。
でも、「記念日だからポンジュース」
私の心に柑橘系な甘酸っぱい疑問を残し、二人は夜の闇へと消えていった。
トリビアねたは以下参照。↓
古い愛媛弁では「ポン」とは「うんこ」の意であるらしい。
標準日本語に翻訳すると恐ろしい字面になるのであえて書きませんが。
ネーミングは一説では、「ポン」はフランス語の挨拶「ボンジュール」(こんにちわ)や「良い」という意味の「ボン」に語呂が似ているので良いのではないかということらしいが真意は私にはわかりません。
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